吉城川
我妹子に 衣春日の 宜寸川(よしきがは) よしもあらぬか 妹が目を見む (不詳 12−3011)
衣を「貸す」と、春日の「かす」を掛けている。好きな女性がいる。何とかしてお近づきになりたい。着物を貸すことできっかけにしよう。でも着物を貸すための、うまい方法が見つからない。さあ困った、どうしよう。
こんな歌だが、吉城川は東大寺南大門の南を流れる川。川の水は少なく、水を飲みに来る鹿以外は無関心である。観光シーズンには観光客でごった返す場所だが、今は真夏なので人も少ない。このあたりの鹿が最も人慣れしていて、やさしそうな顔をした人のところに、鹿せんべい求めて集まってくる。橋のたもとには、森の奈良漬屋さんがある。
私の出身小学校の校歌には、若草山と吉城川が、郷土の象徴として登場していた。