雲梯の杜

      真鳥住む 雲梯(うなて)の杜の 菅の実を 衣にかきつけ 着せむ子もがも                                                                 

曽我川に沿って南下し、畝傍山がいよいよ近づいてきたところに雲梯の杜が見えてくる。森というには少々物足りないが、河俣神社という神社が鎮座する。枕詞に「真鳥住む」とつくが、このあたりには鷲が飛んでいたらしい。相当大きな森だったのだろう。もしかすると畝傍山のあたりと続いていたのかもしれない。「真菅よし」の曽我川と一体になった眺めであるが、このあたりまで来ると藤原京や飛鳥にも近く、万葉人の躍動が聞こえてきそうである。

河俣神社

歌碑

曽我川

畝傍山も近い

(不詳 7−1344)