竹田の原

打ち渡す 竹田の原に 鳴く鶴(たづ)の 間鳴く時なし わが恋ふらくは
                             (坂上郎女 4−760)


橿原市の寺川に沿った所に、東竹田町がある。このあたりに大伴家の領地があり、 坂上郎女が奈良の佐保にいる娘に贈った歌。見晴らしの良い竹田の原に、毎日鶴が飛んできて間断なく鳴いています。私もあなたのことが心配で、ずっと思っています。
 
奈良盆地を縦断してここまでたどり着いたが、佐保にいる娘との距離感は相当なものがあったのだと思う。ひっそりとした小さな集落だが、村の守り神として竹田神社がある。鶴は鳴いていない。地域にこうした鎮守の森をもち、昔ながらに生活している人々がうらやましい。

「打ち渡す竹田の原」というような見晴らしの良さはなく、工場もいくつか建っているが、大和三山が間近によく見える。

竹田神社

神社の歌碑

橋の欄干にも歌碑