菅原の里
大き海の 水底深く 思ひつつ 裳引きならしし 菅原の里 (石川郎女 20−4491)
現在の菅原の里は、南側に阪奈道路が走り騒音が絶えず、北側も田園地帯が住宅地に変わり、悲鳴をあげそうな状態になっている。わずかに喜光寺(菅原寺)と、菅原道真公を祀る菅原神社の並ぶ一画だけが、昔の面影をとどめている。
海底のように深くあなたのことを思い、裳裾を引いて地面が平らになるほど歩き回った。スケールの大きい歌だ。この地に邸のあった藤原宿奈麻呂の愛がなくなってしまい、離別されてしまった石川郎女のうらみの歌。
喜光寺
歌碑
喜光寺の境内に一歩入ると、蓮の花の鉢が所狭しと並べられていた。残念ながら夕方だったので、わずかしか開花していなかったが。この寺の金堂は、東大寺大仏殿のミニチュア版として有名である。