大阪文学散歩もど記  〜誓願寺〜

上六の交差点から上町筋を北上する。本来この道の両側も寺町であるが、寺地の一部を駐車場にしたり、GSにしたりで、ごちゃごちゃとした町並みになっている。
 西側に誓願寺がある。墓地の一番奥に西鶴の墓がある。すぐ後ろには隣のマンションが建っている。大通りから一歩境内に入ると、静寂そのものである。心静かに墓に手を合わせる。明治になってから、幸田露伴らが境内に押し込められていた西鶴の墓を発見したらしい。

また墓の横には、西鶴の句碑がある。
   鯛は花は 見ぬ里もあり けふの月
鯛も食べられない、花見にも行けない貧しい里でも、今夜の名月だけは誰でも鑑賞できる。
 境内には懐徳堂の中井一族の墓もある。



また山門の脇に、武田隣太郎「井原西鶴」の文学碑がある。