大阪文学散歩もど記 〜今池〜
新世界、ジャンジャン横丁を訪問した日、近くに近松門左衛門の顕彰碑があると聞き、探し回ったのだが見つからなかった。お年寄りに尋ねてもご存じなかった。
別の日に再度探索に行く。阪堺線今池駅近く、商店街から路地に入り、さらに路地を曲がった奥に「松之木大明神」があった。
動物園前一番街
路地の奥に神社発見
3メートル以上はあろうかという、立派な近松の顕彰碑。大近松を偲ぶにはここ松之木大明神こそふさわしい。路地の袋小路みたいな場所にある小さな神社だが、地域の人が守ってくれている。
横に「猫塚」という、三味線の形をしたユニークな碑がある。文楽には欠かせない、三味線の犠牲となった猫の霊を祀る。近松先生と絶妙の取り合わせだ。
神社の裏に、細長い空き地がずっと続いている。かつて天王寺から飛田、今池を走る「南海天王寺支線」という鉄道があった。廃線になってもう十年以上たつが、線路だけはがして跡地はほったらかしにされている。有効利用できないものか。
商店街を出て天王寺の方へ歩いていくと、JR環状線唯一の踏切、「一ツ家踏切」がある。このあたりから天王寺支線は環状線の線路と平行に走り、天王寺駅下の小さなホームに到着した。