大阪文学散歩もど記  〜靫公園〜

 大阪には少し不似合いなフランス庭園風の大きな公園。休憩中の大勢のサラリーマンたちで賑わっていた。東側には本格的なテニスコートもあり、大阪都心では貴重な憩いの場である。
 
公園東側入り口近くに、梶井基次郎「檸檬」の文学碑が建つ。ポケットにしまいこんだレモンが爆弾に思えてくる。小説の舞台は京都だったように思うが、生家はこの近くにあるらしい。

梶井はわずか31歳でこの世を去った。言うところの「夭折の作家」である。中原中也や織田作之助も30そこそこで亡くなった。 「夭折の作家」と聞くだけで何か感じるものがある。とりあえず「この人のファンになっておこう」と思わせるものが「夭折」の二文字にはありはしないか。

「熊野街道ツアー」のおりに発見したが、あべの筋の歩道上に梶井基次郎住居跡の碑があった。阿倍野区王子町に住んでいたとのこと。