大阪文学散歩もど記  〜富田林〜

近鉄富田林駅からすぐのところに、タイムスリップしたように寺内町がひっそりと息づいている。富田林寺内町は、16世紀にできたらしい。 白壁に板塀が映える旧家が軒を連ねる。何層にも積み上げられた複雑な構造の屋根。あまり観光化されておらず、通り過ぎる人は少ない。
 
 寺内町の一角に小公園があり、織田作之助の文学碑が建つ。織田作と富田林の関係はあまりぴんと来ないが、戦後最も売れっ子であった時代に、よく訪れたそうである。長姉竹中家が富田林に住まい、織田作は長逗留して執筆活動を行った。
 文学碑には「土曜夫人」の原稿が再録されている。。
 
 文学碑のある本町公園では、虫取り網を持った子どもたちが走り回っていた。私の姿を見ると、逃げるように公園から出て行った。

 織田作の碑の横に、郷土の歌人・石上露子の歌碑が建つ。与謝野晶子らと「明星」の歌人として活躍したそうである。

織田作之助の文学碑

石上露子の歌碑