大阪文学散歩もど記  〜玉造〜
怒ってよくなるものは猫の背中の曲線だけ

玉造という地名は、古代勾玉などを作った玉造部が住んでいたことからきているらしい。 マリア大聖堂から歴史の散歩道をたどり、玉造稲荷神社に到着。古代から現代に至るまで、様々な時代の史跡の宝庫である。古代遺跡の展示棟、千利休の顕彰碑、豊臣秀頼寄進の石製大鳥居。阪神・淡路大震災の影響で、鳥居の上部のみ保存されている。お伊勢さん参りの起点として、「初詣・伊勢迄歩講」を毎年実施されている。

そして境内には、秋田実先生の「笑魂碑」がある。碑には、
 「怒ってよくなるものは猫の背中の曲線だけ」とある。人間、怒っても仕方ありまへんで。笑いましょう、笑いましょう、何を難しい顔してはりますねん。と語りかける。
私も秋田先生がご存命のころをかすかに覚えている。大阪の笑いの系譜を辿るとき、決して忘れてはならない方である。

秋田先生の娘さんが書かれた本によると、ここ玉造近辺には戦前までいくつも演芸館があったそうだ。近くの日之出通り商店街にもあった。