大阪文学散歩もど記　　〜太融寺〜

　　　　　　　　

　太融寺にはその他、淀殿の墓、横綱玉の海関の碑、自由民権運動発祥の地の碑等々がある。また落語ファンにとっては、落語会の会場としてなじみが深い。私も本坊２階の大広間で、何回か落語を聴かせてもらったが、惜しくも昨年閉鎖される。

自由民権運動発祥の地の碑

本堂の脇に芭蕉の句碑がある。

しら菊の　目に立てて見る　塵もなし

　

元禄七年、最後の旅に出た芭蕉が、大坂の園女（そのめ）宅に招かれた折に詠んだ。　　園女は蕉門の女流歌人であり、美女で有名だったらしい。美しい園女を白菊に託して詠んだ挨拶句。芭蕉はこの後病に倒れ、十月十二日に南御堂花屋方で死亡。

平安時代に嵯峨天皇の勅願により創建された名刹。梅田の歓楽街の真っ只中にあり、周辺は人であふれ、騒音が洪水のように押し寄せるが、境内は人も少なく真空地帯のようである。