大阪文学散歩もど記  〜日本橋〜

日本橋周辺の文学碑をまとめて紹介する。

松屋町筋と千日前通り交差点北西角、スーパーの前に「近松門左衛門文学碑」がある。
 谷町のお墓といい、この文学碑といい、大阪は近松に対してひどい仕打ちばかりしている気がする。スーパーの前の植え込みの中に文学碑があるのだが、まず客の自転車がぎっしり停まっているので近寄れない。碑の半分以上が植木に隠れてしまっている。碑そのものも手入れされずに放っておかれ、何も読めない。つまり、予備知識なしで行くと、誰の碑なのかさっぱりわからない仕組みになっているのである。そもそもここに碑が建っていること自体、まずわからない。

 

松の碑から少し西へ行ったところ、国立文楽劇場前に谷崎潤一郎の文学碑がある。近松の碑と同タイプのもので、多分同じ時期に建てられたのだろう。それにしても、碑の回りの植え込みのことは考えなかったんだろうか。先ほどよりはまだマシだが、これも植え込みに埋もれてしまっている。碑文はまだ読めるから、誰の文学碑かはわかる。

国立文楽劇場

大阪の原風景を詩にした、偉大な郷土の詩人
小野十三郎詩碑には、スプレーで心ない落書きがされていた。日本橋の北西角の公園に建つ。盛り場の入り口のような所にあるから、酔客がいたずら半分で書いたものか。
  

草木に覆われて碑文が見えない
客の自転車で近寄れない
作品の本文は隠れている(「蓼喰ふ虫」)