大阪文学散歩もど記  〜南御堂(難波別院)〜

 
大阪の大動脈御堂筋の西側に、あたりを睥睨するかのように堂々と偉容を誇っている。北御堂(津村別院)とともに、近世、近代の大阪に大きな影響を与えてきたお寺です。
 開放的な境内を奥に進むと、有名な芭蕉辞世の句の碑が建つ。

          旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる

 お寺でもらったパンフレットによると、前を走る御堂筋に沿うように花屋があり、そこで芭蕉は永遠の眠りについた。

御堂筋の本線と測道の間の緑地帯に、「芭蕉終焉の地」の石碑がぽつんと建つ。ひっきりなしに車が通り、碑のそばに近づくだけで一苦労である。側道に立ってシャッターを押していたら、激しく警笛を鳴らされ飛んで逃げる。しかし、芭蕉先生が静かに息をひきとった地として、これほどふさわしくない場所もないように感じた。