大阪文学散歩もど記 〜生国魂神社〜
大阪の真ん中に上町台地が南北に続いている。古代はこの台地のすぐ西側まで海だった。現在もこの上町台地は史跡の宝庫だが、ここ生国魂神社はその象徴的な存在である。
西鶴39歳の時、この地で矢数俳諧を興行。一昼夜で四千句を詠み、数千人の観衆の喝采を受ける。その後43歳のおりには、住吉大社で一昼夜に二万三千五百独吟の記録を打ち立てた。平均3.75秒に一句。速記者はただ棒を引いて、句数を数えるのみだったとか。
井原西鶴座像
近松門左衛門はじめ、人形浄瑠璃の成立に功のあった人々を祭神としてお祀りしている。
近松の「曽根崎心中」の発端は、この生国魂神社境内が舞台。
上方落語はこの生国魂神社境内を舞台に、米澤彦八が広めたといわれている。
彦八をたたえ、毎年九月の第一土・日曜日に「彦八まつり」が盛大に開かれる。
米澤彦八の碑
菊に出て 奈良と難波は 宵月夜
元禄7年9月9日、重陽の節句に当社で詠んだ。
この年の10月12日に南御堂花屋宅で死去。
芭蕉句碑