江口の里
大阪市もこのあたりまで来ると、遠くまで来たなあという感が強い。あと少し行くと摂津市だ。
古来この付近は京都との水運の要衝にあたり、大いに賑わい、遊女がたくさんいた。
西行法師が付近を通行中にわか雨に遭い、遊女妙(江口の君)と歌の贈答を行い、一夜を共にした。妙は後に仏門に入り、江口の君堂(寂光寺)を創建したと伝えられる。現在も尼寺である。
その横に、俳人阿波野青畝の句碑もある。
流燈の帯の崩れて海に乗る
目の前の堤防を駈けあがると、大河淀川が悠々と流れている。サイクリングロードが走り、広い河川敷が市民公園となっている。正面には生駒山が稜線を引いている。
阪急上新庄の駅から江口へ向かう途中、瑞光寺があり、鯨の骨で作った珍しい雪鯨橋がある。
小さな境内だが、うっそうとした木々に覆われ、大阪市内とは思えない静かな雰囲気だ。西行法師と妙との問答歌碑がある。
大阪文学散歩もど記