三宅の原

    父母に 知らせぬ子ゆゑ 三宅道の 夏野の草を なづみけるかも
                               (不詳 13−3296)


 両親に内緒で彼女の所に通い続けた。夏の三宅は草いきれでムンムンしていた。暑いのによく通ったものだなあ。
 
 観世能発祥の地、面塚を見て、式下中学の横から太子道に入る。奈良盆地では珍しく斜めに走る道で、聖徳太子が飛鳥から斑鳩に向かう時に利用したとされる。太子様ゆかりの「腰掛石」などが残り、太子伝承の強さを感じる。太子道沿いにこの歌の歌碑が建つ。

歌碑

このあたりは平野の真ん中の穀倉地帯で、一面に稲田が続く。むっとするような草いきれを感じる。三宅の夏、作者も暑い中ご苦労様なことです。

 一面の稲田

面塚