石上神社(布留社)

   石上 布留の神杉 神さびて 我やさらさら 恋にあひにける
                           (未詳 10−1927)

古代がそのまま眠るような古社。格式も高く、広い境内には霊気が漂っている。「布留」という語感から、若い女性が袖を「振る」という語に通じ、甘美な恋の歌が多いそうである。神の鶏が、昼間でもコケコッコーと何度も鳴き、境内に響き渡る。鶏の声が古代を呼び戻す。さすがに格式ある社だけあって、参拝客が絶えない。近くの天理教団施設では、「こどもおぢばがえり」の行事をされており、大音響が聞こえてくる。 

石上の杉の老木のように年齢を重ねてしまった私が、この歳になってまた恋をしてしまった。杉は老木でもまだまだ現役。私もまだまだ現役でっせ、若いもんには負けませんで。と言った意味の素敵な歌。確かに杉の老木が多い。私もこうありたいものである。

歌碑