飯岡(咋山)
春草を 馬咋山(くいやま)よ 越え来なる 雁が使ひは 宿り過ぐなり
(柿本人麻呂 0−1708)
木津川の玉水橋に近づくと、こんもりとした緑の丘が見えてくる。それが飯岡(いのおか)の集落である。飯岡古墳群と呼ばれる古墳がある。高級茶の玉露の栽培が盛んに行われている。木津川沿いの道を離れ飯岡の丘に入っていくと、早速茶畑がある。昼なお薄暗い竹林の間の道を進んだ所に、飯岡の守り神、咋岡(くいおか)神社があった。神社の境内もやはり薄暗く、古代の霊気を感じる。
大和から京へ向けて旅する人たちの街道筋にあたり、このあたりを通る人たちは非常に心細い思いをしたのではないだろうか。雁が自分の元へ、妻の手紙を届けてくれないことを嘆いている。
神社の境内に立つと、旅人の心細さも理解できるような気がした。
茶畑
飯岡の丘
咋岡神社
歌碑