芭蕉の場所を追いかけて(大和編)

奈良には鹿がよく似合う の巻


芭蕉は大和を6回訪れているが、奈良の鹿にも思いを寄せている。
「笈の小文」の旅の途中、4月8日はお釈迦さんの誕生日(灌仏会)。

   〜灌仏の日に生まれあふ鹿の子哉〜
仏様の誕生の日、たまたま生まれてきた鹿の子よ。不思議な仏縁を感じます。

同じく「笈の小文」の旅で、「旧友に奈良にてわかる」という前書きに続いて

   〜鹿の角先づ一節のわかれかな〜
鹿の角が伸び、一節目が別れかけています。あなとも同じように別々の道を行きます。

もう一句。元禄七年(1694年)、芭蕉最後の旅で。9月8日の晩、奈良に一泊した芭蕉は、宿近くの猿沢池を散策する。遠くから哀調をたっぷりたたえた鹿の鳴き声が聞こえてきた。

   〜びいと啼く尻声かなし夜の鹿〜
「尻声」とは、長く尾をひいて鳴く鹿の声。鹿の鳴き声は文字で表すのが難しい。「びい」ではないと思うのだが。
「キィ−ン〜」ぐらいかなあ?確かに余韻を引きずって鳴きます。


興福寺で。煎餅を与える家族連れ。
角も立派になってきました。
若い雄鹿たち。
ひと節だけ別れた者。まだ別れていない者もいますね。
若草山で草をはむ。
鹿苑。鹿のお家です。
10月には、ここで鹿の角きり神事が行われます。
芭蕉様の句碑。

〜びいと啼く尻声悲し夜の鹿〜
奈良の鹿愛護会。
飛火野に来ました。
何か?
何か?