飛鳥川

明日香村の飛鳥川

三宅町あたりの飛鳥川

今日もかも 明日香の川の 夕さらず かはづ鳴く瀬の 清(さや)けかるらむ
(上古麻呂 3−356)


 今日もまた、夕方になるとカジカの鳴く飛鳥川。その川の瀬は清らかだろうなあ。
 甘橿丘に近い甘橿橋のあたりから北は、飛鳥川も多少きれいな流れだが、大和平野を縦断している時の流れは、他の川と同じく決して清流とは言えない。古代人にとって、飛鳥川は飛鳥の象徴とでも言うべき存在だし、現代人も飛鳥と飛鳥川は切っても切れない関係だと認識している。 今回の旅の中で、川を意識して回ることも多かったが、やはり「飛鳥川」には万葉の世界では特別の響きがある。そこでもう一首。


明日香川 瀬々の玉藻の 打ち靡き 心は妹に 寄りにけるかも
(不詳 13−3267)

356番歌碑

3267番歌碑